香川県小豆郡土庄町豊島を拠点に活動する家族3人のユニット 「usaginingen(ウサギニンゲン)」の展覧会「トンビとウサギ、賑わいのとなりで」が高松市美術館エントランスホール(同市紺屋町)で開かれている。自作の映像機や楽器、豊島の暮らしから生まれた「アート」を展示するなど、不思議な空間をつくりだしている。


(左から)絵美さん、海凪さん、伸一さん

(左から)絵美さん、海凪さん、伸一さん


 ユニットは平井伸一さん(48)=観音寺市出身=と妻の絵美さん(45)=横浜市出身=が2011年に結成、24年からは長男の海凪(みなぐ)さん(7)が加わった。
 ユニット結成のきっかけとなったのは10年、ドイツ・ベルリンに移住して間もなくだった。絵美さんの知人から、ライブでパフォーマンスしてほしいという依頼があり、絵美さんが映像、伸一さんが音楽、という分担で活動を始め「ウサギニンゲン」が生まれた。
 布や切り絵、液体などアナログな素材から生まれる神秘的な映像と、独創的な音楽が組み合わさった彼らのパフォーマンスは各国で高く評価され、これまで約30カ国で公演。14年にはアイスランドの音楽祭でグランプリを受賞、21年にはアップルジャパンの広告に登場した。


自作の映像機や楽器などが並ぶ会場=香川県高松市紺屋町、市美術館

自作の映像機や楽器などが並ぶ会場=香川県高松市紺屋町、市美術館


 公演で欠かせないのが自作の映像機「TA―CO(ターコ)」と楽器「SHIBAKI(シバキ)」。この“相棒”をスーツケースに入れて世界中を旅している。海凪さんは朗読や影絵などを担当し「公演は緊張するけど、それも含めて楽しい」と充実感をにじませる。
 16年から豊島に在住。今展覧は「日々の営みが作品」という考えの下、アートで島がにぎわうそばで、日常の暮らしをしている人々がいることを表そうと「『豊島の暮らし』を美術館にそのまま持ち込んだ」(伸一さん)。会場では、ターコとシバキの展示、過去のパフォーマンス映像の上映などを行っているほか、島で実際に使われている竹製のブランコや、収穫した米なども並べている。
 絵美さんは「同じ香川の中でもこういう暮らしが存在するんだと興味を持ってもらえたら」と語る。
 伸一さんは「ブランコなど日常的にあるものが、美術館に置いてあると作品に見える。そういった違和感が、アートとは何かを考える起点となれば」と話している。
 展示は8日まで。7日午後6時からはパフォーマンス「トンビ 魂の鼓動」が同館エントランスホールである。

(四国新聞・2026/03/06掲載)


高松市美術館



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