二輪車の交通安全を祈願し、ツーリングライダー同士の交流の場にもなる「オートバイ神社」が香川県三豊市豊中町の熊岡八幡神社(大宮良平宮司)の境内に誕生した。「ご神体」としてオートバイの鈴鹿8時間耐久ロードレース(8耐)で3連覇したマシンの「クランクシャフト」を納め、ライダーの聖地となることを目指す。


透明のケースに入った「ご神体」のクランクシャフトを納め、厳かに行われたオートバイ神社の鎮座祭=三豊市豊中町、熊岡八幡神社


 オートバイ神社は、日本二輪車文化協会(東京)がライダーの拠点として地域活性化にも貢献しようと全国で認定を進めており、宗教施設ではない。県内では三木町で2017年にカフェのオーナーが敷地内に造った「讃岐輪楽(わらく)オートバイ神社」に次ぎ2番目、全国では49番目。
 熊岡八幡神社でのオートバイ神社の開設は、大宮宮司が2年前まで東京のバイクショップで整備の責任者を務めていたことがきっかけ。実家の神社を継ぐため帰郷する際に、何か新しい取り組みができないかと考え、準備を進めてきた。
 奉納されたクランクシャフトとは、エンジンの心臓部に当たる重要部品。ホンダ・レーシングのエキスパートエンジニア佐藤朋則さんが同市三野町出身という縁で、24年まで鈴鹿8耐を3連覇したマシンのものが永久貸与されることになった。ものづくり魂の象徴として、伝統あるレースの優勝マシンのエンジン部品がまつられるのは全国でも珍しいという。
 鎮座祭などが4月19日、大勢のライダーが見守る中で行われた。佐藤さんが大宮宮司にクランクシャフトを引き渡した後、神事があり、関係者約20人が交通安全を祈願した。
 県内外から駆け付けたバイクはこの日だけで500台近くに上ったといい、ゴールデンウイークにもライダーが次々と参拝に訪れて交流も楽しんだ。
 大宮宮司は「佐藤さんの協力のおかげで構想が一気に進んだ」と実現を喜び、「三豊署などと連携して交通安全を発信していきたい」と話している。

(四国新聞・2026/05/14掲載)



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