香川県高松市出身の現代美術家・川島猛の米ニューヨーク時代に焦点を当てた作品展が、同市亀水町のアトリエ兼美術館「川島猛アートファクトリー」で開かれている。川島が渡米前に東京で過ごした時期とニューヨークで制作に打ち込んだ60年間のうち、前半30年を中心に紹介する前期展。次々と新たな表現を試みる中に、過去作との連続性を感じさせる豊かな創作の世界に触れることができる。9月29日まで。


川島が渡米前の1960年ごろに制作した作品。渡米初期の「グリッド」シリーズに通じる特徴が見られる=香川県高松市亀水町、川島猛アートファクトリー

川島が渡米前の1960年ごろに制作した作品。渡米初期の「グリッド」シリーズに通じる特徴が見られる=香川県高松市亀水町、川島猛アートファクトリー


 川島は1930年生まれ。51年に上京し武蔵野美術専門学校(現武蔵野美術大)や人体描写専門の研究所などで学び、63年に渡米。以降、2016年に高松に帰郷するまでニューヨークで活動した。
 今回は同館初公開となる7点を含め23点を紹介。このうち東京時代の1960年ごろに制作された無題の初公開作品は、黄色の背景を格子状に区切った画面に幾何学模様を規則的に並べて描いている。一つ一つは胸や尻といった体の部分にも見え、渡米初期に制作した「グリッド」シリーズにつながる表現が川島の中にあったことが分かる。


現実の楽園を表現した「ドリームランド」シリーズには、同シリーズ以前の特徴がちりばめられている

現実の楽園を表現した「ドリームランド」シリーズには、同シリーズ以前の特徴がちりばめられている


 80年代から制作したシリーズで現実の楽園を描く「ドリームランド」のある作品は、ピンクや赤を基調としながら、画面右に青と白を印象的に使っている。空や海を表現した70年代の作品群に見られた色使いに加えて、人体を抽象化した木材のパーツを配置。手法やテーマは変えながらも過去の表現をちりばめ続けていることが見て取れる。
 「川島猛 60年の軌跡 挑戦―見果てぬ夢を追う旅へpart1」の入場料は一般千円(高校生以下は無料)。7月4日は午後1時から同2時まで川島が在廊。問い合わせは川島猛アートファクトリー、電話087-802-6888。

(四国新聞・2026/06/25掲載)



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