「心に蓋をするな」「君老いず花の如し」 人柄伝える邦坊語録 灸まん美術館で企画展
香川県仲多度郡琴平町出身の画家で、漫画家や小説家などマルチな才能を発揮した和田邦坊(1899~1992年)の言葉に着目した企画展「和田邦坊のことば展」が、香川県善通寺市大麻町の灸まん美術館で開かれている。創作への思いや処世術などを伝える数々の名言が、来館者を引きつけている。
邦坊の語録にフォーカスした企画展は初めて。過去の展示で反響があったものに加え、新たに見つかった発言など34点を、関連する絵画など75点とともに展示し、人柄を浮かび上がらせている。
〈君不老如花(きみおいずはなのごとし)〉
いつまでも花のように美しく若々しくという願いが込められており、邦坊が好んで使った言葉。県の長寿手帳の表紙に今もデザインされている。
〈心に蓋(ふた)をするな〉
腐った感情をためていると病気になると説く。鍋を擬人化し、頭の蓋をパカッと開いたユーモラスなイラストを添えた。
〈くよくよしたとて仕様が無い 何時(いつ)かは実もなる花も咲く〉
邦坊が企画した張り子人形「おとぼけ人形」のしおりの一文。過労で倒れた東京時代に思いをはせたような言葉で、現代人の心に響く内容と語感の良さから、来館者の人気を集める。
〈僕が一番好かん漫画なんじゃ〉
「どうだ明(あかる)くなったろう」と笑顔でお札を燃やす男でおなじみの風刺画「成金栄華時代」について、唯一言及した言葉。作家・小松左京と対談した音声テープから新たに見つかった。同館の西谷美紀学芸員は「謙遜もあるだろうが、会話の様子からすると本当に気に入っていなかったようだ」と語る。
このほか讃岐愛に満ちた言葉や風景画、香川の観光ポスターの原画、四国新聞のインタビュー記事なども展示している。
会期は9月28日まで(火、水曜休館)。入館料一般600円、小中高大生は無料。7月11日午後2時からは、学芸員によるミュージアムトークを開催する。
(四国新聞・2026/07/02掲載)

