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世界を巡る収蔵品 高松市美術館 現代アートに高評価 「電気服」引く手あまた 今秋「動く!展」開催
都市型美術館として人気の高い高松市美術館(香川県高松市紺屋町)。その収蔵品が世界を駆け巡っている。中でも現代美術のコレクションは人気が高く、田中敦子(1932~2005年)の「電気服」を筆頭に、世界各地の美術館から貸し出し要請は引く手あまた。市美術館は今秋、電気服など国内外から高い評価を得ている戦後日本の現代美術の収蔵品を基にした特別展「動く!展―光と音と運動の芸術」を開催、市民に自慢のコレクションを楽しんでもらう。
市美術館は▽戦後日本の現代美術▽香川の美術(漆芸・金工)▽20世紀以降の世界の美術(版画)―の三つを柱に、系統的に作品を収蔵している。現在までのコレクション総数は1834点(洋画・彫刻1154点、工芸618点、その他62点)。このうち、戦後日本の現代美術関連は半数の約900点に上る。
市美術館美術課のまとめによると、海外への貸出数は2011年以降の15年間だけでも延べ53点。そのうち現代美術は延べ40点で、実に約75%が現代美術関連という状況だ。貸出先は米国やイタリア、ドイツ、オランダなどで、ポーランドのザヘンタ国立美術館には一度に計23点、米国のニューヨーク近代美術館には計13点を貸し出したこともある。
地方の公立美術館としては異例の貸出数で、同館は「1988年の開館以来、ぶれずに収蔵してきたことに加え、現代美術への関心の高まりも影響しているのでは」と分析する。
中でも超売れっ子なのが田中の代表作の電気服。88年に収蔵して以降、これまでに貸し出した29回のうち、15回が海外の美術館向けだ。ライトアートの先駆け的な作品で、田中自身が女性芸術家の草分け的存在だったことも引く手あまたの要因。「ただ、最近は随分と断っている」とは同館の学芸員。展覧会の趣旨や貸し出す必然性を検討して対応しているという。
今秋の特別展は、第2次世界大戦後、それまでの絵画や彫刻という枠を超えて新しいメディアを使った作品が次々登場してきた日本の現代アートのうち、電気服など市美術館の収蔵品で日本の「動く」アートの歴史を紹介する趣向。
会期は10月10日から11月29日までの44日間。観覧料は一般1200円、大学生600円。高校生以下は無料。
田中敦子(たなか・あつこ) 初期具体美術協会メンバーの美術家。草間弥生やオノヨーコに並ぶ異才と評された。
電気服 田中敦子が1956年に発表した代表作。約200の電球と管球が9色のエナメル塗料で塗られ、電源を入れると、不規則な点滅を繰り返す。57年の展覧会では田中自身が舞台上で着用してパフォーマンスし話題を集めた。オリジナルは電球を別の作品に使用するため解体されて現存しない。高松市美術館が収蔵している作品は、86年に開かれたパリのポンピドーセンターでの「前衛の日本」展に出品するため、田中自身の手により再制作されたもの。
(四国新聞・2026/07/06掲載)

