京都市立芸術大出身で香川ゆかりの作家が集う美術グループ「思可牟(しかむ)」(代表・後藤健吉)の第40回記念展が、香川県高松市紺屋町の高松市美術館一般展示室で開かれている。世代や分野をまたぎ、個性のぶつかり合いと偶然の調和が織りなす芸術空間が広がっている。12日まで。


「作品の響き合いを楽しんで」と話す大川原(左)と平野=香川県高松市紺屋町、高松市美術館

「作品の響き合いを楽しんで」と話す大川原(左)と平野=香川県高松市紺屋町、高松市美術館


 同グループは1986年に結成。同芸大出身者が作品を定期的に発表する機会を確保しようと年1回開催しており、今回は20~70代の19人が絵画や彫刻、立体造形などを持ち寄った。節目を記念し、年表や記録写真を作品として構成した特別展示も展開する。
 出品作家のうち、高松市の染色家・大川原誠人は“入室”できるインスタレーション「叶室(かなうむろ)」を展示。「○」と「×」を染め抜いた縦長の布8枚を天井からつり下げ、内には小さな椅子を配置した。○と×は作品の外からも内からも漢字の「叶」に見えるようになっているほか、空調の微風に合わせてゆっくりと回る仕組みも特徴。
 叶室の近くには同市の現代美術家・平野年紀が「Rotation(回転)」と題したインスタレーションを構成。人型に切ったベニヤ板や、全身タイツを着た平野のバストアップ映像、自転車のホイールがそれぞれにさまざまな方向と速度で回り続ける独特な世界観が広がっている。
 大川原と平野は互いの作品が「回る」とは知らなかったといい、「作品の響き合いを楽しんでもらえたら」と実感を込めた。
 土地と意識のつながりを少女の胸像に見立てた漆芸作品や、看板持ちのアルバイトに着想を得て制作した立体造形も並ぶ。
 入場無料。12日午後1時から出品作家によるアーティストトーク(予約不要)。問い合わせは高松市美術館、電話087-823-1711。

(四国新聞・2026/07/09掲載)



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