恐怖をテーマにした特別展「おとろしいもん―『こわい』をめぐる歴史と美術」が、香川県高松市玉藻町の香川県立ミュージアムで開かれている。美術品や歴史資料を通じ、讃岐弁で「こわいもの」を意味する「おとろしいもん」をさまざまな角度から掘り下げる。10月4日まで。


人や牛馬を襲ったという香川ゆかりの妖怪「牛鬼」の絵と角など「こわいもの」が並ぶ=香川県高松市玉藻町、県立ミュージアム

人や牛馬を襲ったという香川ゆかりの妖怪「牛鬼」の絵と角など「こわいもの」が並ぶ=香川県高松市玉藻町、県立ミュージアム


 今展は歴史、美術、民俗の各分野の資料を全6章で紹介。展示品の一部を入れ替えながら、8月30日までの前期と9月1日からの後期で約70件を取り上げる。
 第2章「地獄の景色」では、高松市の円明寺が所蔵する、死後の様子を物語形式に仕立てた2幅一対の掛け軸「地獄図」を展示。前期では死者が三途(さんず)の川を渡るところから、閻魔(えんま)の裁きを受けてどの地獄に向かうかが決まる様子までを紹介する。画面の至る所に血や燃えさかる炎を連想させる赤色が使われ、地獄の不気味さが色彩からも読み取れる。
 第4章「妖怪たちと讃岐」では、県内の神社仏閣から特別に借り受けた資料などで香川ゆかりの妖怪に迫る。四国霊場第82番札所・根香寺(高松市)には、人や牛馬を襲ったという「牛鬼(うしおに)」の絵と角が伝わっている。牛鬼は鋭いかぎ爪を持つ手を大きく振り上げ、口から長い牙をのぞかせた姿で描かれている。絵と一緒に展示している角は長さ約30センチ。断面には芯のようなものもあり、人ならぬ存在への想像力がかき立てられる。
 このほか、病魔や暗闇に立ち向かうために人々が使った護摩札や提灯(ちょうちん)、張り子の人形も並び、恐怖との向き合い方を伝えている。
 今展は「県民の日」創設を記念しての開催で、展示解説の一部に讃岐弁を盛り込む工夫も凝らしている。
 一般800円ほか。問い合わせは香川県立ミュージアム学芸課、電話087-822-0247。

(四国新聞・2026/08/17掲載)



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