こけむした石垣の隙間から冷風が吹く。七宝山系の志保山(しおやま)(標高426メートル)にある「風穴(ふうけつ)」は天然の冷蔵庫。猛暑日が続く真夏でも気温は20度に満たない。


こけむした石垣の隙間から冷風が吹き出す。志保山の風穴は産業遺産としても貴重=香川県三豊市仁尾町

こけむした石垣の隙間から冷風が吹き出す。志保山の風穴は産業遺産としても貴重=香川県三豊市仁尾町


 風穴とは、山の内部で生じる温度差や風圧により風が通り抜ける洞穴。志保山の風穴は標高163メートルの木立の中にたたずむ。開口部は6畳ほどの広さで、高さは約4メートル、半地下部の深さは約1・3メートル。安山岩の隙間を流れる空気が地下水で冷やされ、四方に組まれた石垣から吹き出す。
 昭和初期まで蚕の卵の保管庫として使われ、養蚕業を支えた。長年、土砂に埋もれていたが、住民有志が石を積み直し、登山道や案内板の整備を進めてきた。
 「山の日」の11日には三野町公民館主催の志保山登山の催しがあり、約30人が風穴に立ち寄った。県道の吉津峠に近い風穴登山口から10分ほどでたどり着く。階段を下りて中に入ると、冷気が体を優しく包む。備え付けの温度計は15・1度。「涼しい」の声が飛び交う。一息ついた参加者は足取り軽く頂上を目指した。

(四国新聞・2026/08/17掲載)



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