ベテラン記者のグルメ備忘録 この味を忘れない=八十八庵(香川県さぬき市多和) 箸進む打ち込みうどん
シルバーウイークの早朝。絵になるネタを探し、緑豊かなさぬき市の山間部へ向かった。「どんな草花と出合えるか」。久しぶりの遠出に胸が高鳴る。
四国霊場88番札所・大窪寺(同市多和)周辺を散策。歩き終わると、おなかが減ってきた。そうだ。せっかくここまで来たなら久しぶりにあそこに寄ろう。
門前にある食堂「八十八庵(やそばあん)」。お遍路さんや参拝客、行楽客らから絶大な支持を集める「打ち込みうどん」(千円)の名店だ。
着席後、迷うことなく看板メニューを注文。しばらくすると熱々の鉄鍋がお出まし。メインのうどんのほか、豚肉、油揚げ、ダイコン、ニンジン、サトイモ、ネギといった具だくさんで見た目も食欲をそそる。
まずは白みそ仕立てのだしから味わうのが自分流。濃厚。おいしい。具材にも味がしっかりとしみて箸が止まらない。あっという間に食べてしまった。
店主の井川義雄さん(75)によると「長旅を終えたお遍路さんを癒やす場所をつくりたい」と先代が1959年に創業。打ち込みうどんは他店があまりやっていないメニューとして創業時から提供しているという。自家製の麺は「みそが絡みやすくなるから」と通常より少し太めに切るとか。
「今から冬にかけて気温が下がると、もっとおいしいよ」と井川さん。紅葉シーズンにまた来よう。心も体もおなかも癒やしに。
(四国新聞・2026/09/25掲載)
八十八庵
| 所在地 | 香川県さぬき市多和兼割93-1 |
|---|---|
| 営業時間 | 午前8時~午後4時(ラストオーダーは30分前) |
| 定休日 | 無休 |
| TEL | 0879-56-2160 |

