香川県立東山魁夷せとうち美術館(香川県坂出市沙弥島)で、魁夷(1908~99年)の版画を中心に同館の所蔵品を紹介する第1期テーマ展が開かれている。今回は「風景との巡りあい」と題し、魁夷の画風に影響を与えたといわれる取材地をたどる。15日まで。


東山魁夷の画風に影響を与えた長野県の風景画などが並ぶ第1期テーマ展=坂出市沙弥島、県立東山魁夷せとうち美術館

 1階展示室のテーマは「信州讃歌」。魁夷が東京美術大(現東京芸術大)時代に訪れてから生涯通い続け、「私の作品を育ててくれた故郷」と語った長野県の自然を表現した19点を取り上げている。山間に深い霧が立ちこめる様子を描く「霧の山峡」や、斑尾高原の湖面に木々が映る「静映(せいえい)」など魁夷らしい作品が並ぶ。

 2階展示室のテーマは「北欧紀行」。62年の4月から7月にかけてデンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドを巡ったスケッチ旅行から生まれた魁夷の絵と紀行文によるリトグラフ装画本の挿絵など14点を紹介している。

 風景画家として活躍した魁夷は作中に人の姿を描き込むことが少なく、展示作「コペンハーゲンの街角」などにも人影は見られない。ただ、開いたドアやカーテン、窓際に置かれた水差しといったモチーフを通じて、人々の暮らしを表現しているという。

 入場料は一般300円ほか。問い合わせは同館、電話0877(44)1333。

香川県立東山魁夷せとうち美術館


所在地 香川県坂出市沙弥島字南通224-13
開館時間 09:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日(休日の場合は開館、翌日が休館)
TEL 0877-44-1333


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