「とんぼランド」復活 坂出・王越 住民有志、水路など整備 7月15日に落成式と観察会
香川県坂出市王越町の休耕田を利用した「王越とんぼランド」の再生プロジェクトが完了する。ここ数年、人口減少などの影響で手入れが滞っていたが、住民有志が中心となって昨年から水路や遊歩道を整備し、子どもたちの自然環境学習の場としてリニューアル。15日に落成式とトンボ観察会を開き、「トンボの里・王越」の復活をアピールする。
豊かな自然が残る王越地区は、県絶滅危惧種を含め約30種類が生息する「トンボの里」で知られ、1995年には住民や旧王越小学校児童らが休耕田の湿原を利用した「とんぼランド」を整備。親子らを対象にした観察会「とんぼウオッチング」を毎年開くなどしてきた。
しかし、幼虫ヤゴの世話や放流を行っていた王越小が2011年3月に閉校。地区の人口減少や高齢化も重なり、とんぼランドは次第に荒廃。とんぼウオッチングは現在まで継続しているが、敷地には丈の高い葦(あし)などが生い茂り、濁った水が滞留するなどしてトンボの生育環境が悪化していた。
そうした中、地区住民が中心となって王越とんぼプロジェクト実行委員会(北山定男委員長)を昨年2月に結成。市の補助を受けて住民やボランティアらが昨夏から葦を刈ったり、水路や遊歩道を整備したりしてとんぼランドの再生を進めていた。
新しいとんぼランドは、水はけを良くする水路と大小二つの池を新たに設け、その脇に約80メートルの木製の遊歩道を整備。周辺の葦を刈り取ったため、子どもたちが安心して歩き回れるようになった。整備が本格化した昨夏以降、ハラビロトンボやコノシメトンボなど早くも約20種類のトンボを確認できたという。
とんぼランドの再生を祝い、15日は午前9時から落成式を行い、同9時半から小学生と保護者が参加して「とんぼウオッチング」を開く。今後は池にスイレンを植えたり、市教委などと連携して観察会の回数を増やしたりする計画。北山委員長は「地区の外から大勢が訪れてもらえるように、四国一のトンボの里を目指していきたい」と話している。問い合わせは市教委生涯学習課内の実行委事務局〈0877(44)5025〉。
(四国新聞・2019/07/10掲載)
王越とんぼランド
所在地 | 香川県坂出市玉越町木沢 |
TEL | 0877-44-5025 |