坂出市在住の画家山口一郎の個展「トリとりどり」が、香川県高松市塩江町の市塩江美術館で開かれている。作家がイメージしたフクロウなど無数の鳥が、約60メートルにわたって展示室内の壁面に描かれており、温かみのある空間を演出している。8月4日まで。


展示室の壁面に沿って無数の鳥が描かれている山口一郎展=高松市塩江町、市塩江美術館

展示室の壁面に沿って無数の鳥が描かれている山口一郎展=高松市塩江町、市塩江美術館

 山口は静岡県出身。動物や花などをモチーフにした作品や抽象画を得意とする。東京の美術学校「セツ・モードセミナー」で学び、イラストレーターとして雑誌や広告の仕事に従事した後、知人の勧めなどで2011年に香川に移住した。全国で定期的に個展を開いているほか、県内では商品パッケージのデザインや店舗内装のペインティングを手掛けている。

 今作の「鳥群像」は、豊かな自然の中にある同館に合わせたペン画作品で、山口が展示室で2日間かけて制作した。ハクチョウを思わせる首の長い鳥や、カラスのような黒い鳥などが壁面に沿って描かれ、まるで展示室を飛んでいるよう。山口が描く鳥は大きな目が特徴的で、さまざまな模様があるものが多く、どこか愛きょうを感じさせる。

 全て同じ方向に向かって飛ぶ姿が描かれており、鳥と一緒に飛んでいる感覚が味わえるという。担当学芸員は「表現されているのがどんな鳥か想像しながら楽しんで」と話している。

 入館料は一般300円ほか。27日午後6時からは閉館後の展示室で音楽とコラボレーションしたパフォーマンス(一般500円ほか)を実施。問い合わせは同館、電話087(893)1800。

高松市塩江美術館


所在地 香川県高松市塩江町安原上602
開館時間 09:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日(祝休日の場合は開館、翌日休館)、年末年始(12/29~1/3)


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