宝生院に龍神お目見え 静岡の絵師制作 土庄
香川県土庄町上庄の小豆島霊場54番札所・宝生院（高橋寿明住職）の本堂壁面に、迫力ある龍神図がお目見えした。神社仏閣での天井画制作で知られる絵師が、同院関係者の依頼を受けて制作。計約12畳分のしっくいの白壁2面にモノトーンの龍をそれぞれ1体描き、躍動感あふれる構図が参拝者の注目を集めている。
本堂の壁面に龍神図を描く斎灯さん＝香川県土庄町上庄、宝生院
壁画は、同院檀家総代会代表の丹生兼宏さん、量子（かずこ）さん夫妻の奉納によるもの。静岡県の天井画絵師・斎灯サトルさん（42）が10月29日から滞在制作を行い、3日に完成させた。
作品名は「阿吽（あうん）の双龍」。本尊に向かって右の東壁面には日の出を物事の始まりと捉えて口を開いた「阿龍」、西壁面には口を閉じ、指が4本から5本へと成長した「吽龍」を描いた。共に水墨画のようだが、細部に淡い赤や青色なども入っている。本堂とは別に、31日には客殿ふすまに龍神図を仕上げた。
斎灯さんは日本で最も多くの天井画を制作しているが、同院本堂の天井部には既に花の絵が描かれていたため壁画とした。下書きせず「一発勝負」で描く作風が特徴で、「仏様の力を借りて集中して描いた。納得いく作品に仕上がったので、皆さんに喜んでもらえるのでは」と話している。
丹生さん夫妻は「宝生院には巨木シンパクを見に多くの観光客らが訪れるが、本堂にもお参りしてほしくて龍神図を描いてもらった。思った通りの出来栄えで大変満足している」と笑顔を見せていた。
（四国新聞・2019/11/04掲載）
小豆島霊場第54番札所 宝生院
| 所在地 | 香川県小豆郡土庄町北山412 |
|---|---|
| TEL | 0879-62-0682 |