日本舞踊宗家藤間流の藤間勘十郎(39)が25、26日、高松市のサンポートホール高松で、志度寺(さぬき市志度)に伝わる「玉取り伝説」をモチーフにした舞踊劇を披露する。切ない親子の別れの物語を長男の雄大(5)とともに演じる。


過去の高松公演での藤間勘十郎(資料)


 高松公演「古典芸能の世界」は6回目。勘十郎は琴平町で毎春開かれている四国こんぴら歌舞伎大芝居の振り付けを担当している。

 「玉取り伝説」は、母親の供養のため讃岐を訪れた藤原房前(ふささき)が、海女(あま)から我が子の出世と引き替えに龍神の玉を取りに行った1人の海女の話を聞く。その海女こそが房前の母で、房前が最初で最後の別れを惜しむ―という物語。

 上演するのは、能で演じられる玉取り伝説を勘十郎が舞踊劇向けに書き下ろしたもの。勘十郎が海女役を、雄大が房前役を演じ、実の親子による息の合った舞台は必見。勘十郎は「能楽師の父が演じていた物語を、伝説の残る香川で演じられて光栄」と話している。

 公演は「三枚のお札」との2本立てで、勘十郎による作品解説もある。25日19:00、26日13:30開演。会場は第1小ホール。入場料は5000円。問い合わせは大社教育文化振興財団、電話087-837-8186。

(四国新聞・2019/11/21掲載)

サンポートホール高松



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