若冲「百花図」絢爛に 金刀比羅宮 修復終えきょうから特別展
香川県仲多度郡琴平町の金刀比羅宮(琴陵泰裕宮司)奥書院を9年ぶりに一般公開する特別展「お待たせ!こんぴらさんの若冲(じゃくちゅう)展」が、8日に開幕する。江戸中期の絵師・伊藤若冲(1716~1800年)の障壁画「百花図(ひゃっかのず)」など23点を展示。7日には内覧会があり、観光関係者ら約50人が緻密かつ絢爛(けんらん)豪華な若冲の世界に酔いしれた。会期は6月11日まで。(4月19、26日、5月9、24日は休館)
百花図は、6畳ほどの「上段の間」の壁やふすまに、ツバキやボタンなど201点の花々を描いた作品で、劣化が著しい部分を修復していた。修復にはクラウドファンディングによる寄付金の一部を充てた。
会場では、今回修復したふすま絵4面を取り外して展示。来場者は、精緻なタッチやまばゆい金の下地を目にし、ため息を漏らした。上段の間では、一面に咲き誇る花々を鑑賞した。
奥書院、白書院、表書院では、百花図以外の収蔵品も展示。江戸後期の絵師・岸岱(がんたい)の「群蝶図」、幕末期の絵師・冷泉為恭(れいぜいためちか)の「天井龍図」、江戸中期の絵師・円山応挙の「遊虎図」などが見られる。
琴陵宮司は「皆さまの支援もあって百花図が修復でき、無事公開できた。目の前で実物を見て、すばらしさを堪能してもらいたい」と話している。
入場料2千円、高校生・中学生千円、小学生以下無料(大人の同伴者が必要)。1時間ごとの入れ替え制で、館内はマスク着用。問い合わせは金刀比羅宮〈0877-75-2121〉。
(四国新聞・2023/04/08掲載)