春空すいすい、菜の花と競演 こいのぼり12匹泳ぐ 小豆島・二十四の瞳映画村
香川県小豆郡小豆島町田浦の二十四の瞳映画村に、同町出身の作家・壺井栄(1899~1967年)の代表小説「二十四の瞳」にちなんだ12匹のこいのぼりが掲揚されている。一面が黄色く染まった菜の花畑の上で、潮風を受けて春の空を悠々と泳ぐ様子が、訪れた観光客らの視線を引き付けている。掲揚は5月6日まで。
こいのぼりは、「子どもたちが逆境に耐え、立派に成長するように」との願いを込めて1990年から毎年、5月の端午の節句に向けて掲げている。小説の中で、大石先生と受け持っていた12人の子どもたちが触れ合う場面を表現した銅像「せんせ あそぼ」の近くの花畑に竹ざおを4本立て、男児5人、女児7人に見立てた、まごい5匹、ひごい7匹を飾り付けている。
こいのぼりの周辺には合わせて約2200平方メートルの菜の花畑が広がり、約3万5千本が満開を迎えている。宇都宮市から訪れていた会社員、野澤真弓さん(51)と友達で栃木県日光市の会社員、齋藤智恵子さん(50)は「鮮やかな黄色い花の上で気持ち良さそうに泳ぐこいのぼりを見ると、身も心も癒やされる」と笑顔で声をそろえた。
こいのぼりは、雨天や強風の日を除いて毎日掲揚する。菜の花の見頃は今月下旬ごろまでの見通し。
(四国新聞・2025/04/15掲載)