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夏至観音、荘厳な姿 小豆島・洞雲山 参拝者、熱心に手合わせ
香川県小豆郡小豆島町坂手の小豆島霊場1番札所・洞雲山(白石行永住職)で17日、洞窟の岩肌に差し込む光と影のコントラストで生まれる荘厳な「夏至観音」が姿を現した。参拝者らは神秘的な光景を息をのんで見守り、熱心に手を合わせていた。
一年で昼の時間が最も長い夏至(今年は21日)を挟んだ約50日間のうち、晴天の日の午後3時ごろから数分間だけ見ることができる自然現象。同寺によると、1989年にお遍路さんが偶然見つけた。それ以来、この時季に多くの参拝者が訪れるようになったという。
この日、午前中は曇り。午後から雲が途切れ始め、同2時半過ぎから岩肌に強い日差しが注ぎ始めた。同3時ごろ、観音立像のシルエットが足元から徐々に伸び上がるように出現し、3分ほどで高さ約3メートル、錫杖(しゃくじょう)を手に持ち、冠をかぶったように見える全身がくっきりと浮かび上がった。
地元住民の吹くほら貝の音、白石住職の読経が境内に響く中、参拝者は、岩肌に浮かび上がった神秘的な姿を見つめながら、写真を撮ったり、一緒に読経したりした。家族3人で訪れた岐阜市の伊藤浩子さん(69)は「初めて訪れたのに荘厳な姿を拝むことができて本当にありがたい。大きな力が伝わってきた」と感激していた。
(四国新聞・2025/06/18掲載)