ベテラン記者のグルメ備忘録　この味を忘れない＝中国料理　天山（香川県高松市上福岡町）　昭和漂う名店の焼き飯

　西日がまぶしい。香川県高松市上福岡町の長尾街道。車を走らせていると、道路沿いに中国料理「天山」が見えた。赤色のテント張りの屋根に、白抜きで「やきめし」の文字。シンプルだが印象に残るデザインだ。久しぶりに寄っていくか。

---

---

　午後5時過ぎ。一番乗りとばかりのれんをくぐると、既に常連客とおぼしき男性の姿。ビール片手におでん。幸せそう。視線の先にはテレビの大相撲中継。店内に漂うこの昭和感、妙に心地いい。
　焼き飯（スープ付き、750円）とギョーザ（400円）を注文。おでんは、9種類の中から迷わず牛すじ（250円）。そして大根（130円）も。
　料理を待つ間に牛すじから。やわらかっ。かめばかむほど出てくる肉汁。からしみそとの相性もいい。大根の優しい味、台所に立つ母の姿を思い出す。
　ここで焼き飯登場。ネギ、卵、焼き豚…王道の具材、シンプル・イズ・ベスト。早速一口。やっぱりうまい。絶妙な塩加減。この米のパラパラ感。家では出せないんだよな。ギョーザは当然、皮はパリッと中はジューシー。再び焼き飯、そしてギョーザ。幸せのルーティンを堪能だ。

---

---

　いい夕飯だった。次に来る時はビールにおでん。最後は焼き飯で締めるか。

（四国新聞・2025/09/26掲載）

中国料理 天山

---

---

---