ベテラン記者のグルメ備忘録　この味を忘れない＝母（おも）の屋（香川県東かがわ市湊）懐かしのしょうが焼き

　現在地は東かがわ市役所の駐車場。午前中の取材が長引き、時刻は午後0時半が近い。次の取材は夕方から。おなかを満たしておきたいところだが…。今日は水曜日。あ、そうだ。「しょうが焼き」がラインアップされているはず。

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　湊川の河口近くに架かる橋を渡って左手。見えてきたのは、全日本男子バレーボール元監督植田辰哉さんの実家「母の屋」（香川県東かがわ市湊）。開店から四半世紀。看板の消えかかった「おふくろの味」の文字がそそるなぁ。常連や近くで働く人たちが次々と吸い込まれていく。
　いざ入店。年季の入ったテーブルに椅子、壁に貼られたメニューがいい感じ。店のモットー「安く、腹一杯に」の文字も躍ってる。水曜日の日替わりは、煮込みハンバーグ定食もあるけど、やっぱりここは「豚肉のしょうが焼き定食」（800円）を。
　待ってました。ショウガ香る甘辛いたれにじっくり漬け込んで焼いた本日の主役、4枚の豚ロースが登場。中盛りで約250グラムのご飯が進む、進む。小鉢もみそ汁も安心する味。なんだか実家に帰ってきたみたい。
　「最近は木曜日の天津飯と唐揚げのセットが人気でね」。3年ほど前から両親に代わって腕を振るうのは、植田監督の弟、尚広さん（53）。なるほど。ひとまず今日はごちそうさま。次は木曜日に来ようかな。

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（四国新聞・2025/11/28掲載）

母の屋

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