2025年がもうすぐ暮れる。大阪・関西万博や瀬戸内国際芸術祭2025の盛況、米大リーグでの大谷翔平選手らの活躍など明るいトピックがあった一方、各地で死傷者が相次いだクマ被害、先の見通せないロシア・ウクライナ和平など国内外で暗いニュースも多かった。来る26年は午(うま)年。天をさっそうと駆ける馬のように飛躍の年としたい。新年を前に、香川県内の初詣スポットを2回に分けて紹介する。

田村神社(香川県高松市一宮町)

 「讃岐一宮」と称され、水神を祭る神社としても知られる。家内安全や安産、合格などを祈願しようと、市内外から多くの参拝客が訪れる。31日午後2時から大はらい式、新年を迎えると同時に初祈とうを行う。元日は午前6時半ごろから境内でうどんの販売もある(無くなり次第終了)。境内には干支(えと)の「午」にちなんだ大絵馬を飾る。
 【メモ】高松自動車道高松西ICから車で約10分。琴電一宮駅から徒歩約10分。県農協高松市中央一宮支店とコープ一宮に臨時駐車場を確保しており、利用期間は1~4日(コープ一宮は3日まで)。問い合わせは田村神社〈087-885-1541〉。


参拝のため長蛇の列を作る初詣客=2025年1月1日、香川県高松市一宮町の田村神社

参拝のため長蛇の列を作る初詣客=2025年1月1日、香川県高松市一宮町の田村神社


石清尾八幡宮(香川県高松市宮脇町)

 「石清尾さん」などと呼ばれ、高松市民の氏神様として広く親しまれる神社。毎年大勢の参拝客が詰めかける。31日午後3時から大はらい式を行い、同11時半ごろから豚汁やぜんざい、お神酒を振る舞う。元日午前0時前から参拝客と一緒にカウントダウンを行い、鏡開きなどで新年の幕開けを祝う。歳旦祭は同午前7時から。大みそかと三が日は屋台が立ち並ぶ。
 【メモ】JR栗林公園北口駅から徒歩約10分。周辺では31日から3日にかけて交通規制があり、同宮駐車場は利用不可。亀岡公園東側の御旅所などを臨時駐車場とし、JR高松駅から同宮までを結ぶ無料のシャトルバスを運行する。問い合わせは石清尾八幡宮〈087-862-5846〉。


あでやかな着物姿で参拝し、おみくじを引く子ども=2025年1月1日、高松市宮脇町の石清尾八幡宮

あでやかな着物姿で参拝し、おみくじを引く子ども=2025年1月1日、高松市宮脇町の石清尾八幡宮


八栗寺(香川県高松市牟礼町)

 商売繁盛や学業成就、縁結びの御利益で知られる「八栗の聖天さん」。31日午後11時から除夜の鐘突きの整理券を先着108人に配布し、鐘を突いた参拝客に同寺オリジナルの「福銭」などを振る舞う。三が日は本尊の聖観音や多宝塔の大日如来を開帳。来年の干支にちなみ、馬の絵柄の切り絵(100枚限定、奉納料千円)を授与する。
 【メモ】琴電八栗駅から八栗ケーブル登山口駅まで徒歩約20分。同山上駅から徒歩約5分。31日午後10時~元日午後6時は同ケーブル付近で交通規制がある。裏参道は3日午後6時まで車両通行止め。問い合わせは八栗寺〈087-845-9603〉。


屋島寺(香川県高松市屋島東町)

 屋島南嶺にある四国霊場84番札所。初詣と兼ねて初日の出を拝もうと、大勢の参拝客でにぎわう。本尊の「十一面千手観音」は弘法大師空海が制作したといわれており、国の重要文化財に指定されている。宝物館には源平合戦に関する宝物などを収蔵しており、屋島や寺の歴史に触れることができる。山上からは瀬戸内海の多島美や市街地を一望できる。近くには屋島山上交流拠点施設「やしまーる」もある。
 【メモ】JR、琴電の両屋島駅から屋島山上まで車で約10分。山上には駐車場(有料)がある。問い合わせは屋島寺〈087-841-9418〉。


国分寺(香川県高松市国分寺町)

 四国霊場80番札所。境内全体が国の特別史跡で、本堂、本尊、釣り鐘はいずれも国の重要文化財に指定されている。除夜の鐘突きは元日午前0時から同1時まで。お守りなどを一定額以上買い求めた人に、新年の干支「午」にちなんだオリジナルの布製バッグや縁起物のお菓子をプレゼントする。弘法大師空海が平安時代初期に東寺(京都市)に造立した大日如来像を再現した仏像も公開している。
 【メモ】JR国分駅から徒歩約5分。高松自動車道高松西ICから車で約20分。問い合わせは国分寺〈087-874-0033〉。


大窪寺(香川県さぬき市多和)

 女体山(標高776メートル)の麓にある四国霊場八十八カ所霊場の結願寺。讃岐山脈の山々に囲まれた地に除夜の鐘が幻想的に鳴り響き、厳かな気持ちで新年を迎えられる。例年、境内には長蛇の列ができるが、同寺は「並ばないで自由に参拝を」と呼びかけている。日中は門前の飲食店も営業し、名物の打ち込みうどんなどを味わい、心も体も温める人も多い。
 【メモ】高松自動車道志度ICから車で約40分。JR志度駅などから市コミュニティバスも運行。問い合わせは大窪寺〈0879-56-2278〉。


家内安全や無病息災などを願う参拝客=2025年1月1日、さぬき市多和の大窪寺

家内安全や無病息災などを願う参拝客=2025年1月1日、さぬき市多和の大窪寺


長尾寺(香川県さぬき市長尾西)

 四国霊場87番札所。739(天平11)年、行基が霊感を得て本尊となる聖観世音菩薩(ぼさつ)像を刻み、堂宇を建立して安置したのが始まりとされる。三が日は境内の開運石にぶつけることで厄をはらう厄よけ玉(1個300円)を授与するコーナーを設置し、毎年人気の甘納豆おはぎ(小豆、黒豆とも2個入り300円)も用意。三味線餅つきや大鏡力餅運搬競技は今回も執り行わない。
 【メモ】高松自動車道志度ICから車で約10分。琴電長尾駅から徒歩約3分。問い合わせは長尾寺〈0879-52-2041〉。


白峯寺(香川県坂出市青海町)

 五色台白峯山の中腹、豊かな自然に囲まれた四国霊場81番札所。崇徳上皇の菩提(ぼだい)寺で、頓証寺殿(とんしょうじでん)や客殿などが国の重要文化財に指定されている。境内の各堂では、開運厄除や身体健康などの十二支の守り本尊を祭る。除夜の鐘は31日午後11時50分ごろから突き始め、参加者には記念として干支の土鈴を贈る。三が日は特別祈とう・おはらいが午前9時から午後4時まで、初護摩祈とうが午後2時から。
 【メモ】高松自動車道坂出、高松檀紙両ICから車で約20分。駐車場約200台。問い合わせは白峯寺〈0877-47-0305〉。


(四国新聞・2025/12/25掲載)


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