「宸翰(しんかん)」と呼ばれる歴代の天皇・上皇が自ら筆をとった書などを紹介するテーマ展「書の世界―宸翰を中心に」が香川県高松市玉藻町の県立ミュージアムで開催されている。書に優れた天皇・上皇による堂々たる筆致や個性を浮かび上がらせている。4月3日まで。


書に優れた天皇による書が並ぶテーマ展=香川県高松市玉藻町、県立ミュージアム

書に優れた天皇による書が並ぶテーマ展=香川県高松市玉藻町、県立ミュージアム


 今展では、高松松平家に伝わる鎌倉時代末期から江戸時代までの20点を展示している。
 このうち、重要文化財である「光厳天皇宸翰御奉納心経(こうごんてんのうしんかんごほうのうしんぎょう)」は、伊勢神宮などに奉納するため、光厳上皇が般若心経を書き写したうちの1巻。末尾には人々の安寧を祈る文章や、1字書くごとに3回礼拝をする作法で写されたことが記されている。
 「後水尾天皇宸翰御加筆(ごみずのおてんのうしんかんおんかひつ)」からは、高松藩初代藩主・松平頼重と朝廷との関わりが分かる。隠居した頼重が自身の気持ちを漢詩で記した手紙に、後水尾上皇が心境を詠んだ和歌を加筆して返送した。
 この「御加筆」には、「散らし書き」という特徴的な文章の並びで書かれた「後水尾天皇宸翰女房奉書(にょうぼうほうしょ)」が同封された。加筆の経緯や誰にも見せてはならないという内容がしたためられ、和歌を通じて交流のあった二人の関係性を読み取ることができる。
 担当学芸員は「文字を読むのは難しくても、線質の違いなどを感じてほしい。天皇の生涯が分かる解説パネルにも注目して」と話した。
 入場料は一般500円ほか。21日午後1時半から宸翰の歴史や背景について解説する学芸講座を開催。要申し込み。問い合わせは香川県立ミュージアム、電話087-822-0002。

(四国新聞・2026/03/12掲載)



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