農地にアート作品を飾り付けた芸術イベント「アートでたんぼ」が香川県三豊市高瀬町上麻の岩瀬池周辺で開かれている。水田やため池が広がる山あいに、巨大オブジェやカラフルな作品がお目見え。農業と自然、芸術が溶け込むように融合し、示唆に富んだアート空間が広がっている。会期は31日までで、期間中は音楽ライブなどが開かれる。


水田にたたずむ牛の立体作品。農業を支えた借耕牛をイメージさせる=香川県三豊市高瀬町上麻

水田にたたずむ牛の立体作品。農業を支えた借耕牛をイメージさせる=香川県三豊市高瀬町上麻


 イベントは農業と芸術活動を結びつけようと、農家兼アーティストの河野博さん(78)=同所=らを中心に2001年から開催。26回目となる今年は「アートは、来るべき人類史の言語です。」をテーマに、県内外で活動する現代美術家13人が出展した。
 会場の水田では、1頭の牛をかたどった立体作品がたたずむ。原博史さん(まんのう町)がもみがらなどで作ったもので、農業を支えた借耕牛(かりこうし)の風習や記憶を浮かび上がらせている。古川守一さん・節子さん夫妻(三豊市)は木の枝を使って直径約5メートル、高さ約2・5メートルのドームを制作。「暗いニュースが多い中、子どもたちに自然の中でアートに浸ってほしい」と、動物や花の編みぐるみをつるした。


仲間と手作りで音楽ライブ用のテントを準備する河野さん=香川県三豊市高瀬町上麻

仲間と手作りで音楽ライブ用のテントを準備する河野さん=香川県三豊市高瀬町上麻


 音楽ライブ用のテントは河野さんが周辺で伐採した木材で組み立て。天幕はアーティスト3人がカラフルでユニークな絵を描き、異空間を演出している。会場全体を見渡せるやぐらも設置した。
 河野さんは「文字のない時代は歌や踊りが人をつなぐ重要なツールで、現代ではアートがその役割を果たす。田んぼの中に展示された作品を見て、何かを感じ取ってほしい」と話している。
 作品の一部は期間中に制作される。29、30、31日は音楽ライブが開かれる。

(四国新聞・2026/05/28掲載)



関連情報