四国の和紙を用いた切り絵を制作する長谷川隆子=観音寺市=の個展「刻(とき)の方舟(はこぶね)」が、香川県高松市塩江町の市塩江美術館で開かれている。大型の切り絵と照明を組み合わせ、空間ごと演出するインスタレーションを展開。動物の姿を繊細に浮かび上がらせている。8月2日まで。


巨大な方舟に乗った絶滅危惧種を切り絵と照明の陰影で表現した「刻の方舟」=香川県高松市塩江町、市塩江美術館

巨大な方舟に乗った絶滅危惧種を切り絵と照明の陰影で表現した「刻の方舟」=香川県高松市塩江町、市塩江美術館


 長谷川は愛媛県四国中央市出身で、地域の伝承や文化を切り絵に落とし込んだ作品を制作している。今回はとべ動物園(愛媛県砥部町)で2025年に開いた展覧会の流れを継いだ作品展として、動物の命をテーマに計4点を発表した。
 個展のタイトルでもある「刻の方舟」は、旧約聖書の一節で動物のつがいを巨大な船に乗せて大洪水を逃れた「ノアの方舟」を基にした新作。高さ2・5メートル、幅11メートルの伊予和紙に、展示室の奥に向かうように列をなすゴリラやゾウ、パンダなど絶滅危惧種を植物と共に細やかに切り出している。作品の下部から複数の照明を当て、展示室の壁や天井にも動物の姿を映し出している。


照明によって展示室の壁に映し出されたトラやリクガメたち

照明によって展示室の壁に映し出されたトラやリクガメたち


 長谷川は「よく見ると2頭いる動物と、1頭だけの動物とが混ざっている。頭数の違いから、動物を取り巻く現状を考えるきっかけにしてほしい」と制作意図を語った。
 とべ動物園での展示作を再構成した「まなざしの森」は、同園の旧インドゾウ舎がボルネオオランウータン舎に生まれ変わったことを受け、それぞれ2頭ずつを描き出している。
 入場料は300円。問い合わせは高松市塩江美術館、電話087-893-1800。

(四国新聞・2026/07/16掲載)



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