東山魁夷せとうち美術館秋の特別展「小磯良平―神戸が育てたもうひとりの巨匠」(四国新聞社共催)が19日から、香川県坂出市沙弥島の同館で開かれる。日本画家の魁夷(1908~99年)と出身校が同じで、日本を代表する洋画家として活躍した小磯(1903~88年)に注目。油彩画や素描を通じ、小磯が得意とした優美な世界観に浸ることができる。11月15日まで。

 2人はともに兵庫県立第二神戸中学校(現・兵庫高校)の卒業生。今年が魁夷の同校卒業100年に当たることにちなみ企画した。今展では一部の展示作品を入れ替えながら、小磯と魁夷の計29点を紹介する。
 小磯は同校を経て、東京美術学校(現東京芸術大)の西洋画科を首席で卒業。高いデッサン力と西洋画の技法を土台に、優美な婦人画を数多く手がけた。今展ではバレリーナや有名な俳優の若かりし頃を描いた作品を取り上げている。


小磯良平「踊り子」 1940年ごろ(神戸市立小磯記念美術館蔵)

小磯良平「踊り子」 1940年ごろ(神戸市立小磯記念美術館蔵)


 40年ごろの油彩画「踊り子」は、バレエのコスチュームを着た女性がアトリエの一角にたたずむ姿を描いた。モデルは手を後ろに組み、足を伸ばして姿勢良く立っている。額や肩、スカートの前面、トーシューズの甲部分などには柔らかな光が当たっており、アトリエの静かな空気感が伝わってくるよう。
 56年の「婦人像」は、俳優の八千草薫(1931~2019年)をモデルに制作。紺色の着物に赤い髪飾りを着けた姿を描いており、当時20代半ばだった八千草の清楚(せいそ)な美を写し取っている。


「婦人像」 1956年(神戸市立小磯記念美術館蔵)

「婦人像」 1956年(神戸市立小磯記念美術館蔵)


 小磯は文豪・川端康成(1899~1972年)が京都を舞台に執筆した新聞連載小説「古都」の挿絵も担当した。今展では祇園祭りなどを描いた原画を前後期で2点ずつ展示。他に、第二神戸中時代の作とみられる静物画や、小豆島の風景を捉えた素描も並ぶ。
 魁夷作品は「古都」に合わせ、京都の風景を描いた日本画と版画7点を通期展示する。
 入場料は一般800円ほか。問い合わせは東山魁夷せとうち美術館、電話0877-44-1333。

◎関連イベント


■夕焼けコンサート 10月31日午後6時から/同館1階ラウンジ/千円/名古屋フィルハーモニー交響楽団首席フルート奏者大久保成美(観音寺市出身)/インターネットによる事前申込制(詳細はホームページで知らせる)
■スペシャルトーク(申し込み不要) 9月19日午前11時から/講師 金井紀子(神戸市立小磯記念美術館学芸員)/無料(要観覧券)
■学芸員によるミュージアムトーク(申し込み不要) 9月26日、10月24日の各午前11時から/同館展示室/無料(要観覧券)
■鑑賞会(申し込み不要) 10月10日、11月7日の各午前11時から/同館展示室/無料(要観覧券)


(四国新聞・2026/09/17掲載)



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