世界的に活躍する芸術家濱野年宏さん(88)=香川県高松市=の個展「日本の美 侘(わ)び寂(さ)びの世界」が18日、高松市松島町のホワイトキューブ高松つくもギャラリーで始まった。代表作である「日本の美の神髄 茶室・桂離宮」シリーズの原点となったデッサンや水墨ドローイングを展示。来場者は静謐(せいひつ)で優美な作品の世界を楽しむとともに、濱野さんの創作の背景に触れることができる。27日まで。


デッサンや水墨ドローイングを紹介する濱野さん=香川県高松市松島町、ホワイトキューブ高松つくもギャラリー

デッサンや水墨ドローイングを紹介する濱野さん=香川県高松市松島町、ホワイトキューブ高松つくもギャラリー


 濱野さんの作風は、東洋と西洋、伝統と現代、具象と抽象といった一見対立する概念を調和させたのが特徴。同シリーズは国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界芸術遺産に認定されている。今回の展示品は、そうした作品制作の前段で形や美について理解を深めようと手がけてきたもので、一般公開は初めて。
 出品作のうちデッサンは、ここ10年ほどの間に描いた風景画約180点。濱野さんの自宅周辺の民家や店舗、神社から、栗林公園、奈良の正倉院や京都の清水寺まで対象は幅広く、いずれも緻密に描き込まれている。
 デッサンの延長上にあるという水墨ドローイングは、「桂離宮庭園 松琴亭と天橋立」「大名庭園 栗林公園」など、大名庭園や石組みをモチーフにした17点。和紙に描いた素描が岩絵の具などで淡く彩色され、しっとりと水墨画風に表現されている。作中で描いた建物が、同シリーズの着想につながっているという。
 濱野さんは「完成した作品だけでなく、見えない部分の仕事も見てもらいたかった。スケッチブックも手に取って楽しんでほしい」と話している。
 入場無料。問い合わせは同ギャラリー〈087-835-0532〉。

(四国新聞・2026/09/19掲載)



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