香川県三豊市の七宝山系の志保山(しおやま)(標高426メートル)で、地元住民らが取り組んできた東峰(標高360メートル)の頂上付近の整備が一段落し、南方以外の270度の眺望が楽しめるビューポイントがお目見えした。三豊市仁尾町、荘内半島方面を望む位置に看板とベンチ2基を設置したほか、東峰の頂上手前で生い茂った樹木を伐採し、三豊平野を一望できるようになった。昨年11月には志保山の9カ所に眺望の写真入りの案内板を立て、各方向に眺められる山々や一口メモを記している。


 海外の映画祭で複数受賞するなど活躍を見せている香川県丸亀市の映画監督、梅木(うめのき)佳子さん(50)が新作「はちみつレモネード」を製作した。鳥取市で撮影し、一組の母娘を通して家族の絆を描き出すとともに、地方の持つ魅力を伝える約15分の短編映画。梅木さんは「新型コロナウイルスで傷ついた人の心を元気づけられたら」としている。17日に丸亀市生涯学習センター(香川県丸亀市大手町)で上映会がある。


映画「はちみつレモネード」のポスター

映画「はちみつレモネード」のポスター


 梅木さんは、さぬき映画祭の映像塾やシナリオ講座を修了。2015年の映画祭で上映した「W&M」で初監督を務めた。17年の映画祭で上映した「Lemon&Letter」は、新人映画監督の登竜門の一つベルリン国際フィルムメーカー映画祭で3部門を獲得し、ほかの海外の映画祭でも相次ぎ受賞した。

 3作目の「はちみつレモネード」は、シナリオ講座の恩師の映画監督中島貞夫さんらから、教え子が映画祭を手掛ける鳥取で撮ってみないかと勧められたことがきっかけだった。過去2作は男木島(高松市)が舞台で、初めて香川を離れての製作。鳥取市の浜村温泉周辺の田園風景に引かれてロケ地に選び、地元の協力も得て撮影した。

 梅木さんが監督と脚本を務め、思春期の女子高校生とシングルマザーの母娘を描いた。娘を見守る母に反抗心を抱きながらも化粧をする母への憧れなどから、母の体調を気遣うなど少女から大人の女性に成長する物語。家族とともに地域の活性化も梅木さんの大きなテーマで、浜村温泉の周辺の風土や人情を織り交ぜて作品を仕上げた。

 新型コロナの感染拡大前に撮影し、昨年3月に完成した。これまで各地の映画祭に出品しているが、感染防止のため一般上映の機会を設けられず、今回が初の上映会となる。

 梅木さんは「コロナ禍の中で、たくさんの人たちにとって家族の大切さが身に染みたと思う。今回の映画が、家族の中で助け合って生きていこうという応援歌になることを願っている」としている。

 上映会は13:30~16:30。先着100人で前売り券(千円)のみ取り扱っている。3作品を上映するほか、全ての作品に出演している女優の木内晶子さんと梅木さんのトークショー、音楽を手掛けたアーティスト3組によるライブもある。問い合わせは丸亀市生涯学習センター、電話0877-23-1091。

(四国新聞・2021/01/04掲載)


映画「はちみつレモネード」公式Facebook

丸亀市生涯学習センター


所在地 香川県丸亀市大手町2-1-20
TEL 0877-23-1091


 新春恒例の「第67回日本伝統工芸展」(香川県立ミュージアム、日本工芸会など主催)が2日、香川県高松市玉藻町の香川県立ミュージアムで開幕した。漆芸、陶芸、諸工芸など7部門で計200点を展示。会場には初日から熱心な美術ファンらが訪れ、全国の匠(たくみ)の技が光る逸品の数々をじっくり鑑賞していた。1月17日まで。


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